敬愛する平野紗希子さんのご著書!
学生時代に本屋さんで「生まれた時からアルデンテ」をたまたま見つけて、
「なんだこの可愛い人!そしてとてつもなく面白い天才やないか!」と衝撃を受けた。
その後、今は亡き大好きだった番組セブンルールに出演された。動画で見ても素敵すぎる。何じゃこりゃ。
平野さんのポッドキャスト、味な副音声はもちろん毎回楽しみに拝聴している。
言葉選びと、狂気とも取れる食への探究心が素晴らしい。
先日は、夜明けのplyaersというYoutube番組で成田悠輔さんと対談してらっしゃって、悶えた。
頭いい人同士の言葉の掛け合いが面白かった〜成田さんが平野さんを推していると聞いて歓喜。わかる、わかるよ。
話を戻すと、この著書は食に関するエッセイ本である。
平野さんの過去の食にまつわる思い出や、さまざまなお店の総評が記載されている。
特に好きだったのが「甘さは控えるものではなくて、秘めるもの。」という有名パティスリー、オーボンヴュータン河田氏の言葉。
こんな言葉どこで知り得たのか。
食に関する感想以外にも、店主との思い出エピソードも盛り込まれていて泣きそうになった。というか泣いた。
「行政が町を作るんじゃないよ。ここに住んでいる者一人一人が町を作るんだ。」
「この木(町の街路樹)は切って欲しくない。この道路は拡げちゃいけない。どんどん言っていいんだ。声に出していくことが民主主義なんだ。」
という50年以上続く町寿司大将のお言葉。
食のエッセイを読んでいるつもりが、自分の生き方や人間の在り方、色々考えさせられる内容が不意に盛り込まれている。
不意打ちすぎてぐっっっと心に来る。
一週間ごとに店が移り変わるレンタルスペースのお店、通称蝉の店。
蝉の店を通じて、そのお店や、大切な物を失ってしまっても、「大丈夫、また会える」という確信が心を穏やかにするそう。
これは本当に素敵な考え方だと思った。
私も大切なブレスレットを買ってすぐ無くしてしまい、だいぶ落ち込んだことがあったが、根拠はなくても「また会える」
と思えたらどれだけ楽だったろう。
人は失ったもの、損失にばかり目を向けがち、引きづりがちなので、こういった視点は持ち合わせておきたい。
皮膚科医の友利新先生も言っていた。「ないものねだりより、あるもの磨き。」と。足るを知れということだ。
また、「旅を旅らしくするには距離が必要だ。そこに移動が生まれて途中が生まれて、そこ空白こそが旅。窓からの景色…」
といった文章に、最近全く旅をしていないなとハッとした。
現代はこういう空白の時間がなさすぎるんだろうな。
私も電車の車窓から外の景色を見ることが好きだ。こういった時間は人間に必要なんだろうな…旅をしよう。
NYにお店をオープンさせた19歳のシェフのお言葉も興味深かった。
「自分の料理が完璧だとは思っていない。」
「でもだからってお店を持っちゃいけない決まりもない。チャンスに照れず、失敗を恥じず、前に出ようとする勇気が道を拓くこともある。準備期間とかいう言い訳の間に、人生はあっという間に終わってしまうのだ。」
ああ…自分のことを言われているようで胸が痛い…19歳のピュアで真っ直ぐなお言葉にアラサー女は、打ちのめされました。
終盤に「お菓子を売るときの文句には、ついついハッピーな気分に寄り添えますようにとポジティブな言葉を添えてしまいがちだ。だが、ハッピーだけではない。ハッピーアンドサッドなのだ。喜びにも悲しみにも寄り添えるお菓子を作りたい。」
という文言があり、心が満ち満ちになった。温かい感情が溢れた。
そう!そうなんです、サッドな時こそ、お菓子を買いたくなるんです!!甘いものを買いたくなるんです!!誰
疲れた時に甘いものやジャンキー飯を欲してしまうのは、誰もが経験あるのではないでしょうか。
坂元裕二さん脚本のドラマ、カルテットでの
「泣きながらご飯食べたことある人は、生きていけます。」というセリフも、サッドと食に通ずる言葉だったな〜と回想。
やっぱり食は人生そのものですよね。
美味しいものを大好きな人たちと食べるために、日々働いているようなものだと考えている私。
ハッピーアンドサッドを噛み締めながら、今後も日々精進してまいります。
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